2023-06-18

YMYLについて理解しSEO対策に有効なポイントを押さえよう

Googleに関する記事

YMYLジャンルのコンテンツについて、正確性や信頼性は担保されていますか?

YMYLジャンルに関しては、より厳格な基準でコンテンツが評価されます。信頼性の低い情報や誤解を招く情報が含まれている場合、ランキングが低下する可能性があるため、あらかじめ理解しておくことが重要です。

今回の記事ではYMYLの基本的な説明と、コンテンツ作成の際に考慮すべき点について解説します。併せて、YMYLと同時に語られることが多い、Googleの検索評価基準のひとつ「E-E-A-T」の重要性についても触れてみます。

Googleの度重なるアルゴリズムアップデートの背景を理解することで、YMYLに準拠した信頼性の高いコンテンツをつくるための重要性を学びましょう。

YMYLとは

YMYLとは「Your Money or Your Life」の略で、Googleの検索品質評価ガイドラインに記載されているの項目のひとつです。
直訳すると、「あなたのお金と生活」です。ユーザの財産や健康に関係するようなジャンルのコンテンツはYMYLジャンルと呼ばれ、人の将来的な幸福や人生に大きく影響を与えます。よって、より高品質であること、正確性と信頼性がコンテンツには求められます。
もしこのようなジャンルのコンテンツの内容に誤りがあると、内容を信じたユーザが損害を被ってしまう可能性があります。そのため、YMYLジャンルのコンテンツを検索結果として上位表示するには、品質を向上させ正確な情報を担保しなければなりません。

例えば、自身や家族の病気の症状に対する治療法を調べるために、ユーザが検索したとします。検索結果上位に、医療知識のない人の作成した誤った治療法が表示されると、ユーザは誤った内容の治療法を信じ、結果として身体や、場合によっては生命に危険が及ぶ可能性もあります。そのような品質の低いコンテンツは、そもそも検索結果に表示されない方が良いでしょう。

参考:Google「General Guidelines」

YMYLがガイドラインに追加された背景

背景には、専門知識のない作成者による、内容に信憑性のない医療情報などが量産され、そのようなコンテンツが上位表示されることにより、ユーザーの健康や生活が損われかねない状況が続き、問題視されていました。
それを受け、GoogleはYMYLジャンルに関わる検索結果の品質を、より重要視することとなりました。その結果、コンテンツの検証が十分されていないような、引用中心のコンテンツなど、いわゆるまとめサイトなどは検索順位を下げることになりました。

※Googleの検索アルゴリズムアップデート変遷

YMYLに該当するジャンル

YMYLに該当するジャンルとして以下のものが検索品質評価ガイドラインに列挙されています。
なお、上記には当てはまらなくても、YMYLに該当する場合があります。明記されているジャンルの意図を考えながら、コンテンツの内容がユーザにどのような影響を及ぼすのかを、個別具体的に判断してください。ユーザが質の低いコンテンツで、経済的・身体的に不利益を被らないということが重要です。

インターネットショッピング、金銭の取引きを扱うコンテンツ

ECサイトなど、インターネット上で金銭の決済を伴うコンテンツです。Webサイト上で商品を購入したり、サービスの契約について決済を行うような情報が該当します。

金融情報など資産の取扱いに関わるコンテンツ

投資や税金、保険、クレジットカード、ローンなど、お金や資産に関する情報を扱う情報が該当します。

健康、医療の情報を扱うコンテンツ

個人の健康に関わるコンテンツです。病気やその治療法、治療薬をはじめ、サプリメントなど栄養に関する情報が該当します。

法律情報を扱うコンテンツ

法律の条文解釈、裁判など関する情報が該当します。

ニュース、国民に対する公式な情報を扱うコンテンツ

政府や自治体の政策対応や、災害など緊急時の国民に対する対応に関する情報が該当します。

その他YMYLに関わるコンテンツ

上記に掲げたジャンルには該当しなくても、個人の財産や健康、身体に関わるコンテンツについては、YMYLに該当すると判断される可能性があります。

※2022年7月にガイドラインが改定され、YMYLジャンルの記載がなくなりました。下記は更新前に記載されていたジャンルです。現在のガイドラインには記載がありませんが、YMYLジャンルを判断する際には、上記の内容を参考にすれば概ね間違いないと考えます。

検索品質評価ガイドライン改定に伴うYMYLジャンルの判断

2022年7月にガイドラインが改定され、YMYLジャンルの記載がなくなったことはご説明しました。では今後、YMYLに該当するかどうかをどのように判断すればいいのでしょうか。

新ガイドラインを確認すると、YMYLの評価は下記の分布表で行うとのこと。トピックスタイプや求められるYMYLのレベルから評価を試みます。

「Clear YMYL Topic(明確なYMYLトピック)」「May be YMYL Topic(場合によってはYMYLトピック)」「Not or Unlikely YMYL Topic(ほぼYMYLトピックではない)」の3つの項目に分かれています。明確なYMYLトピックでは、間違った情報を与えるとユーザーに損害を与える可能性があります。半々なYMYLトピックでは、(例えば)天気予報が間違ったことによって影響を受ける人もいれば受けない人もいます。

YMYLトピックス1
YMYLトピックス2

1行目のInformationを例に説明します。

Informationの明確なYMYLトピック

津波の際の避難経路
説明 : 避難経路に関する不正確な情報は、人々に重大な被害をもたらす可能性があります。

情報の正誤、正確性が人の生命にも関わるため、明確なYMYLトピックと言えます。

Informationの場合によってはYMYLトピック

天気予報
説明 : ほとんどの場合、天気予報に関する情報が多少不正確であっても、害は生じません。家族に「今日の天気は?」と尋ねることはよくあります。

影響を受ける人もいればそうでない人もいる。

InformationのほぼYMYLトピックではない

音楽賞受賞者
説明 : このトピックが害を及ぼす可能性は低いです。

音楽賞の受賞者が誰であるか、それは単なる事実です。

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E-A-T(E-E-A-T)の関係

YMYLジャンルのコンテンツ作成を行う際、押さえておかなければならない概念が「E-A-T(E-E-A-T)」です。

E-A-TはGoogleの検索品質評価ガイドラインに掲載されているウェブサイトの評価基準で、Googleが重視する要素の一つです。専門性、権威性、信頼性が高いページを評価し、検索結果の質を向上させることが狙いです。特に、医療、法律、財務などの重要な情報に関するページ、つまりYMYLジャンルのコンテンツにおいてE-A-Tは非常に重要な要素となります。

E=経験
E=専門性
A=権威性
T=信頼性

コンテンツの品質はもちろん、誰が作成したのか、誰が運営しているのか、コンテンツの内容は正確で信頼できるのか。ということが求められます。E-E-A-Tについて正しく理解し、コンテンツに反映させていることが、SEO上Googleからの評価に繋がります。

コンテンツ作成時に意識すること

YMYLジャンルのコンテンツ作成で、SEO対策として意識すべきことを下記にまとめました。
上記のE-E-A-Tの考え方が不可分であり、コンテンツ作成に際して意識することの重要性がわかると思います。

著者情報を明確にする

コンテンツを作成した人物や組織の情報を明示しましょう。どのような人がコンテンツを作成したのかを明らかにすることで、ユーザーの信頼感や安心感のアップにつながります。
人物名だけではなく、これまでの経歴や現在の立場、Webサイトなどを併せて公開すると、信憑性のさらなる向上につながります。

専門家がコンテンツ作成にたずさわる

国家資格保有者など専門的知識を有する者が書いていること、あるいは監修していることを明確にすることが有効です。
医療に関する記事は現役の医師、法律の解釈に関することは弁護士、といったようにその分野の専門家によってコンテンツが作成されていれば、客観的にも信頼性が高いと言えます。

正確な情報を掲載し裏付けする

誤った情報はユーザの不利益に繋がるため、不正確なコンテンツは評価されません。
数値や統計データを扱う場合は、その正確性を裏付けるため、引用・出典元を掲載しましょう。公的機関や公的組織など、信頼性の高い情報源であることを明記することが有効です。

コンテンツの正確性を保つ

コンテンツの内容が古くなり情報に誤りがある可能性があります。
掲載している情報を定期的に見直し、最新情報に更新する、または情報が古い内容になっていることを明記するようにしましょう。
最終更新日時やアップデート情報を明記するとより信頼性が高まります。

サイト管理者の連絡先窓口を設置する

企業情報や運営者情報を掲載することで、サイトの信頼性向上に繋がります。
誤った内容、古くなった情報で訂正やその旨の案内が必要となる場合があります。お問合せフォームを設置するなど、ユーザからコンタクトを取れる状態であれば、間違った情報を訂正する機会にも繋がります。
また、ECサイトの場合、住所や連絡先、利用規約などの掲載が求められます。

常時SSL化を行う

サイト自体がSSLに対応しているというのは今や当たり前ですね。昨今では、主なブラウザで、HTTPSによる暗号化通信がされていなければ、サイトの安全性を疑う警告メッセージが表示されます。

これに関しては、メリットのある施策というより、やらなければデメリットしかないと考えます。もしできていない場合は、契約しているホスティングサーバ会社やサーバ管理者に問合せて早急にSSL化を進めましょう。

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まとめ

YMYLジャンルのコンテンツ作成の際は、より厳格な基準が適用されることを理解できたと思います。

YMYLはユーザの生活に大きく影響を与えるジャンルなので、今後も適宜変化し続け、Googleによるアルゴリズム変動の影響があると予想されます。
今後も最新情報をキャッチアップしつつ、コンテンツ作成に取り入れ、ユーザに寄り添ったコンテンツ作成を意識することが重要です。