2022-02-23

Amazon Route 53 ~AWSのDNSサービス

AWSに関する記事

AWSでは、Amazon Route 53というDNSのサービスを提供しています。
www.google.comのようなドメインを、コンピュータが互いに接続するためのIPアドレス(192.0.10.1など)に変換し結び付けるサービスです。

Amazon Route 53とは

Amazon Route 53はDNS(ドメインネームサービス)です。DNSは、WEBブラウザで入力した「https://google.com/」のようなURLを、「IPアドレス」に変換する仕組みです。これを名前解決といい、Amazon Route 53では、アクセスしてもらいたいアドレスを、実際に使用しているEC2やS3などのAWSサービスのエンドポイント(接続点)に結び付けます。

Amazon Route 53非常に信頼性が高く、コスト効率も最適化されるよう設計されています。また、Amazon Route 53はIPv4のみならす、IPv6にも対応しています。

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Amazon Route 53を利用するメリット

簡単な利用方法

AWSマネジメントコンソールまたはAPIを使用してDNSの設定の設定が可能です。数分でDNSクエリへの応答を開始できます。
シンプルな操作性のエディタを使用して、高度なルーティングが設定できます。

高い信頼性

Amazon Route 53は、Amazon Route 53サービスレベルアグリーメント(SLA)に基づいています。

https://aws.amazon.com/jp/route53/sla/

サービスコミットメントでは「Amazon Route 53を100%利用可能(以下に定義する)とするため商業的に合理的な努力をする。」と記載されており、サーバーの分散機能により確実にルーティングする機能を保証します。もしもサービスが提供されなかった場合には返金する旨の記載もあります。

高い柔軟性

地理的な場所、エンドポイントの状態、レイテンシーなど、複数の条件に基づいてルーティングを行います。複数のトラフィックポリシーを設定できるほか、ポリシーが有効になる時間を設定することもできます。

高速性

世界中に存在するDNSサーバのグローバルエニーキャストを使用し、ネットワークの状況に応じて適切にルーティングします。
その結果、お客様のエンドユーザーが行うクエリのレイテンシーは短縮され、DNS レコードマネジメントの更新レイテンシーも短縮されます。

拡張性

ユーザの手間を掛けることなく、大量のクエリを処理するために自動的にスケールするように設計されています。
Amazon Route 53には、トラフィックが1つのエンドポイントに集中しないようにしたり、一箇所のサービスに障害が生じたとき速やかにほかの場所に切り替える機能もあり、ルーティングを柔軟に管理できます。

費用対効果

低コストで、ユーザは使用した部分に対する料金のみを支払えばよいです。例えば、サービスで応答したドメインごとのクエリ、サービスでドメインを管理するために使用しているホストゾーン、ヘルスチェックなどのオプション機能に対する料金のみを支払います。

高いセキュリティ性

IAMとの統合により、AWSアカウント内の各ユーザに固有の権限と認証情報を付与し、Route 53の各部に対してアクセス権を細かく指定できます。またファイアウォールを有効にすることにより、悪意のあるドメインのリストに対してアウトバウンドリクエストをチェックすることができます。

Amazon Route 53の用語

DNSはWEB開発には必須の仕組みですが、エンジニアであっても聞きなれない用語が多くあります。一部ご紹介します。

DNSに関する用語

用語特徴
ラウンドロビン1つのホスト名に複数のIPアドレスを割り当てて返すと、先頭から接続を試みることを利用し、アクセスされるたびにIPアドレスを返す順序を変えることで、優先する接続先のIPアドレスを恣意的に調整するしくみ。接続先のIPアドレスが複数あることで、複数のサーバーに負荷分散が可能になる
リゾルバードメイン名とIPアドレスを相互に変換する機構を指す。AmazonRoute 53の中心的な機能であり、いわゆるDNSサーバーが持つ機能
トラフィックフローサーバーの負荷や、もっとも効率のよいサーバーのIPアドレスを返すように調整する機構を指す。遅延が最小となるサーバーに転送するレイテンシペースルーティング、地理的に近いサーバーに転送するGeo DNS、サーバーの稼働をヘルスチェックして、稼働していないサーバーに割り振らないようにするDNSフェイルオーバーを組み合わせて構成する
ホストゾーンDNSの設定単位。ドメイン全体、または、サブドメインのこと
レコードドメインやサブドメイン内に設定した、ドメインとIPアドレスを変換する1つの設定項目のこと
クエリDNSに対する問い合わせのこと

レジストラとレジストリ

レジストリとは、ドメイン情報のデータベースを管理している機関です。
よく似た名前ですが、レジストラ(お名前.comやムームードメインなど)はレジストリ(JPRSなど)にドメイン情報の登録を担当する組織です。ユーザはレジストラにドメイン情報を申請し、レジストラはドメイン情報を登録します。

Amazon Route 53ではドメインの取得もできます。

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まとめ

以前はレジストラの用意するDNSを利用していましたが、Amazon Route 53を一度利用すると離れられなくなってしまいました。AWSでインフラを構築している場合は利便性をより実感できると思います。

  • Amazon Route 53はDNSの役割を担う
  • SLA100%の高い信頼性
  • 利用料金は使用に応じて発生

Amazon Route 53 (Route 53)
URL:https://aws.amazon.com/jp/route53/