2021-05-27
リードジェネレーションについて考えてみた
制作会社やシステム開発会社ではなく、営業会社などの事業会社でエンジニアとして働いていると、自身の技術や制作物がどのように売り上げにかわっているかというのが見えにくいと感じることがあります。
例えば不動産や保険の営業会社であれば、あくまで営業社員が会社の主役のなので、社内SEや管理・制作部門は、営業職のサポートという位置づけとされてしまうことも少なくないのではないでしょうか。
私自身、事業会社でエンジニアとして働いるため、自身の技術や仕事が、会社の売上や利益にどう貢献しているしているのか、と疑問に思うことがあります。
エンジニアとして、自分の立ち位置はどこにあるのだろうかと考えたとき、自社のサービスや商品を社会に周知し興味をもってもらうこと。見込み顧客を開拓することだという認識がありました。しかし、このような役割を説明する適切な表現を知りませんでした。
最近、「リードジェネレーション」というワードを耳にし、上記のような感覚にかなり近しいのではないかと感じました。
ざっくり言うと、見込み顧客の開拓という意味のようです。
気になったのでリードジェネレーションについて調べてみました。
リードジェネレーション(顧客生成)とは
マーケティング用語でリードとは潜在顧客を意味する。つまり潜在顧客の生成、リードジェネレーションとのこと。
マーケティング手法を用いて、本来アプローチできていない顧客に対して、商品やサービスを売り込み、見込み客になってもらうこと、と言えると考えます。
以下はWikipediaの記述を参照。
リード生成(Lead generation)は、製品やサービスへの消費者の関心を惹きつけること、もしくはインバウンドで問い合わせを得られるようにすることを指す。
リードは、インターネットを介したデジタル広告、個人的な紹介、テレマーケティング業者による電話、デジタル以外の一般的な広告、イベントなど、さまざまな発生源がある。 2015年の調査によると、回答者の89%が、リードを生成するために最もよく使用されるチャネルとして電子メールを挙げ、次にコンテンツマーケティング、検索エンジン、そして最後にイベントを挙げている[3]。 2014年の調査によると、リードの発掘に最も人気のある3つのオンラインチャネルは、ダイレクトトラフィック、検索エンジン、ウェブでの紹介であり、リードの93%を占めている。
多くの場合、生成されたリードはCRMツールにおけるリード管理の手法で取り扱われ、購入ファネルで定義される施策に移される。これはパイプラインマーケティングと呼ばれている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BD%9C%E5%9C%A8%E9%A1%A7%E5%AE%A2
実際にはどのような手法があるのでしょうか。
リードジェネレーションの具体的な手法をみてみましょう。
リードジェネレーションの主な手法
オンライン
WEBサイト(コンテンツマーケティング、WEBマーケティング)
コーポレートサイトやランディングページ等のWEBコンテンツに誘導し、商品やサービスを理解してもらうこと。また、その前提の対策として、google広告や適切なSEO対策を行い、コンテンツに誘導。アクセス、流入数を増やすということも考えなければなりません。
そしてさらに、その成果として、資料請求やお問合せ、メルマガ登録などコンバージョンを得ます。そのためにはコンバージョンを促す導線設計を考え実行しなければなりません。
特に重要なのがコンテンツマーケティングであると考えます。
コンテンツマーケティングは、ユーザと関連性の高いコンテンツを作り、顧客に商品やサービスに対して魅力や価値を感じてもらい、お互いに良好な関係を構築するマーケティング手法です。
つまり、ユーザに対しての継続した価値提供だと考えます。ユーザの抱えている問題を解決するのに役立つ情報を記事として提供する。また問題解決に資する商品やサービスであることをコンテンツ内で明確に伝え、アクションを起こさせることではないでしょうか。
SNS
企業によるSNSの活用は、今では珍しくなくなりました。TwitterやFacebookをはじめ、ここ数年はInstagramの活用をよく目にすると実感しています。SNSサービスごとに特色があり、活用手法はそれぞれ異なります。個人的な感覚ですが、Facebookはビジネスライクな堅いイメージ。Instagramはおしゃれな製品と親和性が高く若者向け。Twitterはメインコンテンツに誘導するお知らせ、ユーモラスな運用に利用されている気がします。
企業ブランディング、マーケティングという点では、もはやSNSは必須。やらないという方が少数派ではないでしょうか。専門の運用担当を立てる企業も少なくありません。
また、SNS自体の機能も充実してきており、SNS内で広告を運用し集客することができます。ユーザの登録情報や、利用履歴からセグメントされた、確度の高い広告でアプローチを行うことが可能です。例えば資産運用について調べものを行っていると「20代に最適な資産運用ならこれ!」といった、事前に対象顧客をかなり絞り込んだ広告が表示されることがあります。
オフライン
展示会・カンファレンス
リアルの世界で顧客との接点を作ります。代表的な手法ですと、複数社が参加する展示会やカンファレンスへブース出展が上げられます。
あらかじめテーマが決められていて、そのテーマに沿った、顧客の抱える問題を解決し得るサービスや商品を望む企業担当者が主に参加するため、確度の高い潜在顧客情報の取得が望めます。しかし、来場者数の多い展示会などでは、数多くの見込客を獲得できる一方、「参加してみただけ」「立ち寄ってみただけ」といった、見込み度の低い顧客も少なくありません。
展示会での名刺交換のあと、後日メルマガや電話などでアプローチを行います。ウェブが主流となる前からある、アナログな方法と言えますが、対面で顧客の懐に入り込むことも可能で有効性があります。
セミナー
自社で主催するセミナーのほか、他社との共催セミナーや、他社が主催するセミナーへの登壇などがあります。いずれの場合も、事前登録や、開催後、参加者にアンケート回答を求め、リード情報を集めます。
まとめ
自身の現在の仕事内容と結び付けようと、リードジェネレーションに関して調べて見ましたが、途中から違和感というか、私の考えていた顧客生成の概念とは、少し毛並みが違う気がしてきました。
リードジェネレーションは、WEBなどを用いた単なる集客活動ではなく、顧客の掘り起こしから売上に繋がるまでの、一連の経済活動をあらわしたマーケティングプロセスのごく一部だと認識しました。
実際、リードジェネレーションから始まり、リードナーチャリング(Lead Nurturing/見込み客の育成)、リードクオリフィケーション(Lead Qualification/見込み客の絞り込み)とプロセスが続きます。このような、一連のマーケティングプロセスを、デマンドジェネレーション(Demand Generation/見込み案件の創出・発掘)というそうです。
リードジェネレーションと聞き、何か新しい概念が登場したのかと思いましたが、実際には現場で行われている営業活動そのもの、というのが本質ではないでしょうか。それをマーケティングという枠組みの中で掘り下げているだけという気がします。
実際の現場では、手法も多岐にわたり、業界やサービスの種別によって異なります。会社の規模や事業に最適なリードジェネレーションを模索し実行、効果を高めてゆきましょう。