2021-07-03
事業会社でインハウスエンジニアとして働くということ
現在、事業会社でWEBエンジニアとして働いています。
WEBエンジニアといっても、実際のところは企業のWEB業務担当者という、非常にざっくりとしたポジションで、ディレクション、デザイン、フロントコーディング、サーバサイドコーディング、サーバの構築からドメインの管理など、WEB周り全般業務を担当。最近は会社のプレスリリースや、お知らせの文章作成も行っているので、広報担当でもあります。
また、イラストレータやフォトショップが得意ということもあり、営業の方からの資料作成や総務から納品データのデザインなどを依頼されることもあります。
WEBに関する業務を行っていると、WEBやITリテラシー低めの社内の人間から、「あの人は機械に詳しい、パソコンに詳しい、wordに詳しい etc…」と思われがち?のようで様々な依頼が舞い込んできます。正直、いつも使っているからあなたの方が詳しいでしょ?というのが本音。
先日はおじさんからいきなり「文字化け!文字化け!これから会議」というよくわからないカタコトの救助依頼がありました(wordファイルをメモ帳で開いていた)。
ITに疎い人が多い事業会社あるあるだと思うのですが、このような会社での立ち位置、わかる人いますか?笑
WEBの技術とは関係のないことや、畑違いの雑用みたいなことを任されると、たまにふとした時、今の働き方に疑問を抱くことがあります。
リテラシーの高い人たちに囲まれて、制作会社でガリガリWEBの開発をしたほうが将来長い目でみて成長できるのでは、と。
事業会社でWEBエンジニアとして働くメリットとは何か
制作会社ではなく、事業会社でインハウスエンジニアとして働くメリットとは何か、ということを考えてみました。こんなことを考えるようになったのも、社会人として余裕が出てきたからでしょうか。たまにはいいでしょう。
あくまでわたしの環境のお話です。業界や社風、チームメンバーのスキルによって事情が大きく異なると思いますので、その点はご留意ください。
①納期に縛られない
納期に縛られない、やはりこれでしょう。仕事はのんびりと進めましょう。
クオリティ向上のため、開発者がアイデアを提案し、納期を伸ばしてでも方向性を変える事も可能。比較的緩やかなスケジュールで進められます(もちろん会社によるとは思います)。また、社内的な納期を守れなくても、もっともらしい言い訳をすれば問題ありません(もちろん会社によります)。
お金をいただいて、いつまでに仕上げますという話ですとそうはゆきません。
②深い業界知識が身に付く
自社のサービスや商品、業界についての深い知識と理解がなければ、コンテンツ作りはできません。
事業内容やサービス、商品を理解したうえで、その魅力を伝える必要があります。誰に何をどう伝えるか。
ゆえに、その業界や特定商品、サービスのプロフェッショナルであるといえます。
外側からは見ることができない、業界特有の知識やスキル、商慣習などが身につきます。
EC業界では、モールごとの仕様であったり、在庫連動や在庫管理、決済システムなどが代表的ではないでしょうか。
どの業界でも、そのような独特のスキルや知識が必要とされるでしょう。
転職時に業界経験者として即戦力として市場価値が高まり、同一業界での需要が高まりますね。
③サービスを身近に感じられる
自分たちが作り上げたコンテンツを、技術やアイデアでブラッシュアップする楽しみがあります。
広く世に広め、社会の課題解決への貢献にも繋がると考えます。
作って終わりではなく、リリースはあくまでスタート。データを分析、数値化しPDCAを回すことでコンテンツを育てることがメインとなります。自身の成長をサービスの成長に重ね合わせ、身近に実感することができます。扱うデータも、企業ならではの規模で、受託開発では触れることができない部分に携わることができます。
デメリットは?
①仕事や技術の範囲が限られる
触れられる技術が単調になりがちで、メンバーも流動性がほとんどありません。そもそもクライアントがいないので、クライアントごとに新たなプロジェクトに携わるといったことはありません。
比較的規模の大きな会社では、役割が決められていることも少なくありません。作業範囲が限られ、同じ技術ばかりに携わるということも考えられます。新しい技術に触れる機会を自ら能動的に提案し、自身の成長機会も自身で責任を持たなければなりません。長期的なキャリアを見据えてキャリアプランの実現も自身で切り開く必要があります。何より、それが認められる環境があるとも限りません。つまり運、ですね。
最近思うところでは、見積もりの作成やドキュメントベースの計画的なプロジェクト進行などは、現在の自分にはできないなーという危惧が多少あります。
②自身の技術と会社の利益の関係が間接的
技術そのものを売る、技術を直接お金に変えるというプロセスがないように感じます。技術はあくまで手段を作ることが目的で、売り上げに対して技術が間接的な関係にあるということです。
それは技術や仕事が評価されづらい、ということでもあるのではないでしょうか。
自身の業務を数値化するなどして、貢献を可視化すること。社内へ自身の業務をアピールする工夫が必要となります。
まとめ
わたし自身制作会社での経験がありません。技術や作業を細分化という経験がないので、制作会社で一度経験を積んでおきたかったなー、というのが正直なところ。例えば工数を出すとか作業を金額として数値化するということは、経験がないので現在の自分にはそれ自体が難しいです。(もちろんクライアントとしては目の当たりにしているので、イメージはできます。)
初期の段階に、制作会社でクライアントワークの経験を積んでおけば、強みになったんだろうな、というのがわたし自身感じていることです。
現在の待遇を手放して、新人枠で制作会社へ転職という選択肢はリスクが大き過ぎます。また、その必要性も魅力も感じません。
色々とつらつら書きましたが、クライアントワークであれオリジナルワークであれ、会社やチームメンバーなどの環境に左右されてしまうというのが現実だと思います。笑 正解はないという結論。
結局、自身にとって何が最優先なのかを理解しておくことが重要です。ライフワークバランス、給料、商品やサービスに魅力を感じているか。それを実現し得る環境であるかどうか。
隣の芝は青い。